睡眠時無呼吸の
歯科用スプリントを製作しております。
睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、睡眠中に呼吸が弱くなる、あるいは停止し、体内の酸素濃度が下がり、睡眠が障害されることにより、日中の眠気や頭痛、集中力の低下などの症状により生活の質(QOL)を低下させ、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームの発症に関与し、重症例では心血管障害や脳血管障害の危険因子となる全身性の疾患です。
要するに、寝ているときに息が止まり、いびきをかくことによって睡眠の質が悪くなり、昼間に眠くなったり、血圧が上がったり、心臓・血管に負担がかかる病気です。OSAS患者は長くて2分間息が止まっている方もおられ、そのときの経皮的動脈血酸素飽和度は60%まで低下し、脈拍は200回近くまで上昇します。
一度、2分間息を止めてみてください。かなり苦しく、心臓がドキドキするのを感じると思います。OSAS患者では、このような状態が寝てる間ずっと繰り返されます。多くの患者は寝ているため気づいていません。しかしながらこれだけ酸素が足りない状態が続くと、身体に負担がかかり熟睡できるはずがありません。
このような理由から、OSAS患者は睡眠の質が低下し、昼間に強い眠気を感じます。例えるならば、毎日徹夜が続いているような状態です。治療前は、待合室やチェア上で、いつも居眠りをしているにもかかわらず、口腔内装置(OA)治療により昼間の眠気が改善し別人のように生まれ変わる患者を何人も目のあたりにしてきました。
また、OSASで一番恐いのは、いろいろな合併症を引き起こすことです。OA治療により、高血圧症、不整脈が改善し服薬量が減量できた、また服薬の必要がなくなった方も多くおられます。OA治療は、いびき・無呼吸を治すだけでなく、OSASによる合併症の治療・予防につながる治療と言えます。